ムンクの「叫び」😱

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まぁ、いままでいろいろと美術館とか博物館に行って色々と美術品・工芸品を観てきたけど、圧倒的だったのはエドヴァルド・ムンクの「叫び」
とびぬけて圧倒的な凄味があった。
誰でも見たことがある超絶な名画だけど実物は半端じゃない。

テンペラ画の『叫び』(1910年、ムンク美術館蔵)

よく勘違いされているが、書かれている人物😱(ムンク本人)が、「自然の発する”叫び”」に恐れおののいて”耳を塞いでいる時”を描いた絵。
😱←これが叫んでいるわけではない

観たのはコロナ前にムンク展で見たテンペラ画バージョン。
一番有名な油彩画バージョンではないんだけど、すごかった(圧倒的な語彙力不足)
真っ赤な空が海と溶け合う不明瞭な境界。大胆な構図、
空の赤さは画像じゃわからないほど迫力がある赤。この絵を見た第一印象は「赤い!」だったくらい。
引き込まれるような真っ赤で不穏な空。
ムンクが感じ思わず耳を塞いでしまった「自然を貫く果てしない叫び」を表すような、激しい赤い空と不穏な海が溶け合う歪んだ空間。
歪んだ海と空と対照的な画面下部を橋の直線で斜めに区切るこの大胆な構図、間違いなく浮世絵・ジャポニズム流行の影響を受けているのだろう。
そして美術史上で最もインパクトのある中央の人物、どれをとってもすべてが天才的な構図。

産業革命が起こってから新しい技術が日々産まれて社会が激変し続けたこの時代。
写真の登場で写実主義の存在価値が揺らぎ、モネをはじめとした印象派の登場で画家たちが旧来のアカデミックな宗教画・技法から解放されて、芸術にも新しい価値観が登場した時代。
旧来の価値観が崩壊して、人間心理という非物質的存在をキャンバスに刻む、見たものを書いていた時代ではなく、地球上でその芸術家ただ一人しか表現できない物を創る、真の意味でアートが誕生した美術史上たぶんイチバン面白い時代の最終到達点が「ムンクの叫び」だと思う。
そして最終的に芸術・絵画はピカソによって物質の形状からも解放されてキュビスム「ゲルニカ」で完成したんだと思っている。

無からこれを描ける奴はピカソ以外いない

それ以降の芸術家はどう頑張っても二番煎じだから辛いね。
現代芸術なんて「完成された物」の二番煎じを避けるために、地球上の誰一人として理解不能な意味不明なものになってるし。
ゲルニカ以降世界的な名画は産まれてない。
「ピカソより普通にラッセンが好き~」も最初に言い出したから永野はすごいのであってね。そういう事。もちろんラッセンの絵は商業的には成功なんだろうけどつまらんわな。

大学時代一番面白かった講義が自由枠で取った西洋美術史的な教育学部の講義。
20人ほどの受講生、たしか自分以外全部年下の文系の女子(1・2回生メイン)で、編入で入った理系学部男子の自分(3回生)はあきらかにちょっと場違いだったけど、本当に美術鑑賞の価値観の為になった講義だった。
毎回、誰か学生ひとりが絵画の解説などを調べてきて発表、教授がその作品に対して別の見方などを指摘して講義を進めるスタイルがおもしろかった。だいたいは専門以外のほうがやっぱり楽しいんだよな。工学部の時も自由枠で取った生物学・生態学が一番衝撃的で面白かったし。それが面白すぎて生物学系に編入したし。
流石に今更美術系の大学に行く気もないけど、またアカデミックな美術講義を受けたいなって。

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